10月6日(木)に行われた「アートトーク第一弾 渡辺芳邦市長と4人のアーティスト対談」のレポートです!
参加者:渡辺芳邦(わたなべ・よしくに)市長
参加アーティスト:宗政浩二さん、矢成光生さん、小林雅子さん、石城麻衣さん
総合司会 :風戸重利 総合ディレクター
司会・進行 :佐々木綾子 ディレクター
渡辺市長
本日、アートプロジェクトに参加されるアーティストのみなさんとの対談をセッティングしていただきまして、どうもありがとうございます。
アートプロジェクトの会期中には大きな賑わいとなるんだろうと期待しております。ぜひ最後までよろしくお願いしたいと思っております。
対談の中でいろいろなお話をさせていただくと思いますが、まず申し上げたいのは、木更津市のアート文化はそれほど高いものでもなく、決して充実しているわけでもないと思っているということです。ぜひとも、今回いただくご意見をきっかけに、今後どのように展開すべきかを見直していきたいと思います。
ーーーーまずはアーティスト4名から簡単な自己紹介と、どのようなワークショップを実施したか、さらにワークショップを終えての感想などをお話しください。
宗政浩二さん(以下、宗政さん)
私はワークショップを暁星国際小学校で実施しました。私は今回のアートプロジェクトでは、太陽の光を使って鏡で反射させた絵を壁に映し出す作品を展示しますので、ワークショップでも同じ手法の作品を作ってもらいました。ワークショップに参加した子供たちにも、そしておそらく、ご父兄の方にも喜んでもらえたと思います。
作品は、鳥居崎海浜公園の橋の近辺に展示しますが、ワークショップのときには6年生限定で小さな鏡に絵を描いてもらいました。これは、光明寺の一角にも展示します。
私は木更津市出身なので地元で開催されるアートプロジェクトに参加させていただき、光栄に思います。
石城麻衣さん(以下、石城さん)
私は木更津第二小学校の 4 年生と一緒にワークショップをしました。二小の生徒たちと私の作品は、證誠寺という木更津を代表する歴史的な建物で展示します。今回、二小の生徒たちには紙粘土を使って「動」をテーマに制作をしました。私自身のテーマも「動」と「静」です。證誠寺はかつては寺子屋であったというお話を伺い、その場所に子供たちの作品を展示するのはとても適した場所だと思っております。今回のワークショップで気付いたのは、子供たちは生まれながらのアーティストというか、とてもすてきな作品が生まれました。小学校の先生たちからもとても好評だったとお声をいただきました。私は木更津総合高校の美術の教員をしております。今年から美術コースが新設されましたので、今回のワークショップにはその生徒の 13人を連れて行きました。高校生と触れ合えたのも良かったように思います。
矢成光生さん(以下、矢成さん)
私は学生時代まで木更津に住んでいました。その後、東京で活動しています。ワークショップは、真舟小学校で小学校 2 年生を対象に、環境をテーマとしてペットボトルに工作をしました。環境という点に絞りますと、木更津市は海に接して発展・発達してきましたので、海のゴミという環境問題に近い点で、自分が制作している作品と共通項がありました。ワークショップの前には、導入として小学校 2 年生に SDGs の話をしました。それは少し難しかったようですが、全体的に興味を持って取り組んでもらえたかと思います。ミナート開催中にも、愛染院でワークショップを開催します。私は非常に木更津が大好きです。先ほど市長が文化的なことはまだこれからとおっしゃっていたので、今後も木更津に貢献できたらと思っております。
小林雅子さん(以下、小林さん)
私は生まれは長野ですが、東京で育ち、今も東京で作家活動しています。私自身は、紙で作品を作っていますが、最近は本を使った作品を制作していまして、その本の世界観を、本だけを材料にして作品にしています。今回は請西小学校の子供たちと 2 回に分けてワークショップを実施しました。 1 回目のワークショップでは子供たちも図鑑を用意して、描いた絵を図鑑に貼ったり、立体的に作って貼り付けたりと、全員で大きな本を作り上げました。2 回目のワークショップでは 1 人一冊の世界にたった一つだけの自分だけの本を作ってもらいました。子供たちは、みんなで一緒に協力するときも楽しそうにしていましたが、自分 1 人の世界に没頭して自分だけの世界に入っている姿を見て、とても微笑ましく思いました。展示は紅雲堂書店さんで、子供たちの作品も自分の作品も一緒に展示します。市販の本の中から、いろいろな作品を見つけ出すという、そんな展示ができたらと思っています。本屋で展示をするのは長い間の夢だったので、今回夢が叶って嬉しく思っております。
ーーーー渡辺市長にも、アーティストの荒木美由さんが開催した「小さな貝塚をつくろう」というワークショップにご参加いただきました。その中では、石を磨くという作業を行いました。大人も子供も初めての体験という人が多かったですが、市長はいかがでしたか?
渡辺市長
石の中には化石が含まれていることも多いそうで、磨いていくと目に見えるということでした。残念ながら、自分の石からは化石が見つけられませんでしたが、一緒にやっていた子供の石からは生物のような姿が見えて、あれはすごいと思いました。
ーーーー普通の石の中から化石を見つけ出せるなんてワクワクしますね!では次のお話に移ります。ここにいる 4 名は、それぞれ出身地や住まいが違うので、その視点から見た木更津市の今後の展望を伺えたらと思います。宗政さんは木更津出身で今も木更津に住んで作家活動をされてますが、いかがでしょう?
宗政さん
私は木更津出身で今は木更津在住ですが、木更津に住んでいたのは高校生までで、そのあと 30 数年は東京に住み、7~8 年ほど前に木更津に戻ってまいりました。 戻って来たときに感じたのは、交通の便も良く、東京に比べて街並みの空間も広く、駅から港がとても近いということでした。非常に立地がよく、利便性も高く、いろいろな面でポテンシャルが高い町だと感じました。私は地元出身なので、昔からの幼馴染もたくさんいますが、地元から離れたことのない人たちはそのポテンシャルに気付いていないことが多いです。それで、今回のようなアートの企画で地域の子供たちと一緒にワークショップをやることで、子供たちにはこれまでと違う視点を持ってもらえたらと願っています。展示会場となるお寺や神社、書店や米屋のような店舗の地域の人たちもアーティストたちと関わることで、これまで気づかなかった木更津が持っている文化に対して意識が高まったり理解をしていただければ、と思います。
ーーーー木更津には、魅力がたくさんあるので、まだまだ活かせるポイントがたくさんありそうです。石城さんは他県の出身ですが、現在は木更津在住で木更津総合高校で美術の教員をされています。
石城さん
木更津に住んで 8、9 年くらいになります。私は大分県出身です。大分県は文化交流が盛んな街です。私は、当時は全国でも大分県に 1 校しかなかった、音楽と美術を学ぶ生徒だけが集まる高校を卒業しました。そのあと東京で美術大学に入り、卒業後は木更津に住もうと決めました。論文は、木更津市でアートによる街づくりをするというテーマです。まさに今回のアートプロジェクトと同じです。だから、今回参加できるというのはミラクルだと思っています。大分県でも「混浴温泉世界」というアートイベントを開催していまして、継続的に街が一体とな ってアートで活性化していくという活動に成長しています。地元の友人たちも精力的に関わっていまして、教育現場に携わっている人も多いので、よく情報共有をしています。今回、木更津でもアートプロジェクトが始まりますので、今回だけでなくぜひ継続してやっていけたらと願っています。私が木更津に来た当初は、「もったいない」と思うことが多かったです。来たときにはアウトレ ットはまだなくて、その後にアウトレットができて、人も多く集まるようになりました。私は木更津に知り合いがいない状態で住むようになりましたが子供もいますので、他のお母さん方とお話をする機会も多いです。そんな中で、よく聞くのは遊ぶ場所がないという話です。私は街づくりをする上で考えたいと思うのは、街の人たちには豊かに生きる力を育んでいかなければ、ということです。それには、アートの力が活かされると思います。実は、私は市長とお会いするのは初めてではありません。数年前に木更津市内港公園で「みなと木更津うみ祭り」というイベントが開催されたときに、私は団体を立ち上げてワークショップを
開催しました。そのときに、市長とお会いする機会があって、「ぜひがんばってください」というお言葉をいただいたことがありました。
そのときに参加する中学生や高校生を見ていて、こんなすばらしい人材が大人になったら木更津から他の土地に出て行ってしまうのがもったいないと思いました。一度は出て行ったとしても、戻ってくる子供たちをもっと増やしていきたいと、そして愛される街づくりをしていきたいと思いました。
木更津総合高校で美術を専攻している生徒たちはすごく生き生きとしていて、しっかりとやりたいことを見つけて卒業しています。このアートプロジェクトもぜひ、今年だけではなく継続していただいて、来年以降のワークショップには今回のような小学生だけでなく、中学生や高校生も含めて展開できればと思っています。
美術は中学校くらいから嫌いになる人が多くなります。小学生くらいまでは美術はとても楽しい時間ですが、中学生くらいになると自分を出すのが怖かったり、何をしていいのか分からなかったりというのがあるようです。だから、中学生や高校生も一緒に、アートプロジェクトを通じた街づくりに参加してもらえればと思っております。
こちらに住んでから、先ほどの「うみ祭り」や「かまフェス」、「オーガニックシティフェスティバル」など、いろいろなイベントに参加していますが、まだまだ文化交流の場が少ないように感じます。ダンスやスケボーなどは盛んと思いますが、イベントをやりたいとか街づくりに参加したいという人たちは、意外にもたくさんいます。でも、どうやったらいいのか分からないとか、市にかけあってもダメだったという声も聞くので、それももったいないと思っています。やりたいと思ったときに、窓口となるような架け橋となる場所を市の方で作っていただければ、良くなるのではないかと思います。
あとは、自分が子供を産んだときに木更津市で母子手帳やいろいろなグッズをいただきました。そのときに考えたのは、最近は都内から木更津に移り住んできた人も多いので、そのような人たちに対して、木更津がどんな街なのかを紹介するような内容の絵本を作ってプレゼントしたらすてきなのではと思います。
眠っているアーティストの方たちも多いので、活躍の場が増えることを期待します。
渡辺市長
卒論のテーマや移住先が、なぜ木更津だったのですか?
石城さん
大分県の生まれ育った町に風景が似ています。結婚したときに主人が木更津に住んでいたというのがきっかけでしたが、最初に訪れたときにホッとするというか、いい街だなと感じて、それからずっと住んでいます。
渡辺市長
8年9年前から住まわれたというと、それからの変わり方はすごかったと思います。
この辺りも、10年くらい前から店舗の閉店が続きましたが、そこから若い人たちが一生懸命にがんばってくれて飲食店が増えてきました。
元々が商業中心で発展してきた街に、ちょうど25年前、アクアラインが開通したはいいけれど期待値が高すぎた反動で地価の下落が続いた時期もありました。でも、10年くらい前から徐々に人口も増え始めました。ようやくアクアラインの使い方に慣れてきて、アウトレットや商業施設ができて、若いご夫婦や子供たちも増えてきましたので、これからかなと思います。
市民活動支援センターの「きさらずみらいラボ」を作って、登録団体数もかなり増えてきました。
本来はこの2、3年でもっと盛り上げられたはずなのですが、やはりコロナで動きが止まってしまいました。それでも、できるだけ市民の活動の支援をしましょうと動いてきたのですが、なかなかやりきれていないことがあります。
石城さん
今回のワークショップでは、高校生に手伝ってもらったのも大反響でした。実は参加したい高校生ももっとたくさんいましたので、今度は、もっとたくさんの高校を交えて、町の文化祭のような感じでできたら、もっと楽しいのだろうなと思っています。
渡辺市長
役所もがんばりたいのですが、外部の第3のセクターをしっかりと育てて、環境とか観光とかの面で活躍していただけるようになったらと思います。
海外に行くと、外部団体にお金も集まって充実した活動をしています。そういう組織をどうやって作っていくのかと悩んでいる最中です。
ーーーーでは、木更津市出身で今は東京にお住まいの矢成さん、今回の地元でのプロジェクトはどうでしょうか。
矢成さん
私も木更津には大きなポテンシャルを感じていますし、もったいないと思うところがあります。
私は父親が新日本製鐵の社員だったので、盛り上がっていた頃の木更津を知っていまして、その頃は木更津から川崎までフェリーがありました。木更津は学生の街という印象があります。昔は木更津の駅の周辺には4つのデパートがあり、街も賑わっていて集う場所がありました。
そのころのイメージが今も焼き付いています。
子供の頃にはボーイスカウトに参加していて、他の学校の生徒や親以外の大人たちと一緒にキャンプをした経験が今もすごく役に立っています。自分の学校内のメンバーだけではなく、いろん
な人たちと一緒に一つのことをやり遂げる達成感が、すごく生きています。今はモノよりコトの方が重要になっていると思いますので、今回のワークショップは有意義だったと思います。今後も、引き続きやって行けたらいいと思っています。
今も、まだ木更津市内に実家があり親が住んでいますのでときどき帰ってきますが、その度に風景が変わる印象があります。今こそ木更津に滞在する意味を問われているのかな、と思います。
スポット的な場所としてカフェや若い人たちが集う場所があるのかもしれませんが、そんな場所と場所、点と点がつながっていない印象があります。それを補うために必要なのが、文化的な場所かと思います。
今回は、教育現場で作家たちが関わってアートを切り口にしたワークショップを開催できたというのは意義のあることだと思います。根付かせるためには、今後も継続できたらいいなと思っています。庁舎も新しくなるということですので、地元の作家や子供たちが作った作品を設置したり、フレキシブルに利用できる場所ができるといいと思いました。アートと、行政と、地域の人たちが関わる場みたいなものがあればいいなと思います。真舟と金田は人口が増えていると聞いたので、これからどんどんと活気が出てくるかと思うのです。でも自分の実家の方では、出て行った子供が戻らずに親世代の高齢化が進んでいます。そちらにも目を向けて、高齢者向けの絵画教室を開催したり、アーティストたちがやれる活動はあるかなと思います。あるいは、私は東京で特別支援学級の教員をやっていますので、障がいのある方も一緒に集まれる場所も大切なことかと思っています。
石城さん
「寛傳知(かんでんち)」さんと、「かまフェス」でご一緒させていただいています。あの団体は、子供から高齢者、障がいのある人たちも一緒に集えるような場所を提供しています。障がいを持った人たちが作った作品を見ると、本当にすばらしいアートです。それを商品化して木更津市でグッズとして展開していくとか、サポートできる仕組みを作れたらすてきなことだと思 っています。
渡辺市長
東京ではそのような事業もあるようですね。その辺りが東京と地方の民間の力の大きさが違うのではないかと感じていて、さらには行政が持 っているスキルだけではやりきれないことも大きいです。
宗政さん
行政の方は民間を使うときに財源はどうするのかご心配されることもあるでしょうが、例えば、民間の企業ではその活動で利益を得なければならないわけではなく、それによって宣伝効果やプラスになることがあれば動ける会社もあります。僕らアーティストが、いきなり地域の商店を訪れても場所を提供してもらうことは無理ですが、今回のアートプロジェクトではうまく回っています。これは市が企画しているアートプロジェクトだからです。きちんとつながれば、実施できると思います。
渡辺市長
最近、そういう雰囲気は出てきたと思います。ただし、東京の企業の財力と、地方の事業所の財力はやはり違うので、それをどのように補っていくのかが地方ならではのポイントであり課題と思います。子供たちとアートの話に関して言えば、スポーツや勉強は完全な序列ができますが、アートの世界は多様性があり正解がなくそれぞれがすばらしいので、輝く子たちが多いのがいい点です。そういう意味では、これからも続けたいと言う声が上がっています。もう一点、お話させてください。今度、新庁舎ができます。その庁舎の 2、3 階は市民交流スペースになる予定です。その設計などはこれからなのですが、市民活動支援センターや社会人や高校生の居場所となるようなワークスペースを少し大きめに作ろうとしています。そこを活用したら面白くなっていくのかなと思います。木更津は高校生の居場所がなくて困っていますので、溜まり場になるかもしれません。もう一つが、吾妻公園に新しい文化芸術施設の建設を予定しています。公民館、図書館、ホール施設を備える予定なので、うまく連携させてアートを育てていくこともできるのではないかと思います。生涯学習という大きな括りの中でやっていきたいという話をしています。
ーーーー町おこしに関わるアート活動では国や民間の助成金もかなり充実しています。計画的に継続的にやっていくのであれば資金も集まりやすいと思います。小林雅子さんは海外でも活躍をされています。そのような視点から木更津の印象についてどうでしょう
小林さん
請西小学校のみなさんのアートに対しての積極性や集中力のようなものが、これまで他の場所で開催してきたワークショップでは感じたことがないくらいに強かったので、何かこの街に特殊な文化的な土壌があったのかなとか、政策をされているのかなと思いました。自然体のままで、ア ートを受け入れているのを感じました。私は自分の家からここまで来るのに 2 時間少々かかりました。来てみて、チェーンの大きい店ばかりでなく、個人経営の個性的な飲食店があったり、お寺が多いので自然や植物も多く、街から海も近く、足りなすぎず多すぎずの等身大で暮らせるいい街だと思いました。それがアートの積極性につながっているのかな、と感じます。
鳥居崎海浜公園にできた新しい商業施設も楽しいのですが、そこから少し離れて堤防沿いから海を見た、普通の海が心休まると感じます。
私は沖縄にも住んでいたことがあるので、きれいな観光地の海ももちろんいいのですが、普段着の海というのはとても癒されるし、感性も研ぎ澄まされるところがあると感じました。
市長のおすすめの風景とかあれば教えていただければ嬉しいと思います。
渡辺市長
私はやはり、海ですね。
木更津市は、東京湾の中で唯一大きな干潟が残っている場所です。東京湾には干潟と呼ばれる場所はいろいろありますが、その九割が木更津市の干潟です。
東京湾は隣の袖ヶ浦市まではずっと埋め立てられているのが、木更津市の境界線でピタッと埋め立てが終わって、反対隣の君津市の境界線から再び埋め立てが始まります。
木更津市だけ干潟が残っています。
つまり、東京湾の中で山から海までの自然を持っているのは木更津市だけです。これは凄いことです。
干潟というのは東京湾の財産です。
その感覚は市民にもあって、木更津市民の気質はおおらかだし、市外から流入する方に対して寛容です。
街が発展するのに、寛容さは必要です。
寛大で、人情味が厚いというのが木更津っぽいのです。
そうであってほしいという願いもありますが、海がないと木更津ではありません。それでも、2022年の春に、鳥居崎海浜公園の施設ができるまで、少し海への接し方を忘れていたように感じます。
今年はアクアラインが開通して25年目。つまりフェリーがなくなってから25年経ちます。
その間、海との接し方を忘れていた部分がありましたが、鳥居崎海浜公園ができて一般の人と海の距離が近付いて、金田では潮干狩り以外にもシーカヤックのようなマリンレジャーも開始されました。市民の海辺への接し方は、これから変わると思います。海を大切にして、そこから続く山までの自然が木更津の財産です。ぜひ、オーガニックな木更津を堪能していただきたいと思います。
ーーーー私は今回10校全てのワークショップを見させていただきましたが、本当に学校全体が協力的で、それぞれに個性的でした。
驚いたのは、学校によってカラーがまるで違うことでした。だから、学校によって子供たちの行動もそれぞれに異なっていまして、とても興味深いと感じました。
校長先生たちにお伺いすると、教育は自由にやっているという言葉をいただきました。今回のワークショップでも、見知らぬアーティストたちが訪れても、まるで混乱はなく前向きに取り組んでいただきました。ある学校では、予定では1時間しか枠を取っていなかったのに、終わらなかったためにその場で予定を変更して続けてやらせていただいたり、柔軟にご対応いただけました。
本当にすばらしい学校ばかりでした。
渡辺市長
これから駅から海までの「富士見通り」の再整備を予定しています。電線を地中化したあとに、アーケードを取り除いて、歩道を整備します。この富士見通りがどのように再生されるのかが、とても大きいと思います。この再生の中では、緑はもちろんのこと、アートを活用するのが大切で、その富士見通りの歩道でどう過ごしていただくかをこれから考えていきたいと思っています。
具体的には、そこにアート作品のベンチが並ぶとか、照明から何から、いろいろなことが考えられると思います。あるいは、街のいろいろな建物の壁に、バンクシーのような壁絵があるといいのかもしれません。街の中に日常的にアートが溶け込んでいると、子供たちや地域の人たちも自然に親しんで、お話いただいた大分県のように変わっていくのかなと思います。
民間の協力をいただきながら、併せて公共としてやらなければいけないところをしっかりやっていく姿勢を作っていきます。
今後とも、ご指導とご協力をいただければと思います。
文:松本佳代子