出前ワークショップ
見ないで作る、手探りの表現

開催日:9月26日(月)、27日(火)
場所:木更津第一小学校
アーティスト:斎藤 英理
対象:木更津第一小学校6年生
ARTWEEK展示場所:木更津会館(見番)

見える状態の人(説明役)と見えない状態の人(制作役)のペアで行う、粘土を使った造形ワークショップです。

木更津ミナート|斎藤英理
木更津ミナート

ワークショップレポート

9月26日(月)、27日(火)に、木更津第一小学校で、木更津みなとぐちアートプロジェクト2022の出前ワークショップが開催されました。今回取り組むのは6年生。担当は斎藤英理さんです。斎藤さんは、これまで映像を使った作品を発表されていますが、今回児童と作る作品は、ちょっと変わった方法で作ります。また、今回はサポートスタッフとして、保護者の方計6名にもご協力いただきました。

当日、児童たちに持ってくるようにお願いしているのは、目隠しと筆記用具の二点。プロジェクトの説明や先生の紹介が済んでから、児童たちに今回のワークショップのやり方が説明されます。児童たちは二人一組でペアになり、一人がお題を読み上げる説明役を、もう一人がお題の説明を聞いて、そのイメージを粘土で作り上げる役になります。ただし、説明役は、お題に使われている言葉を直接使ってはいけません。工夫して言い換えながら、ペアの相手に伝えます。また、作品を作る役は、粘土をこねる間、作る間、そして作品がサポートスタッフによって回収されるまで、目隠しを取ってはいけません。

お題を、お題以外の言葉で伝えなければいけない説明役と、説明役の言葉と自分の手の感触だけが頼りの、目隠しをしている作り役。デジタルコミュニケーションの対極にあるような、白熱したやりとりが繰り広げられました。30分の制限時間の後、ペアの役を交代します。自分の作った作品は、展示会場で初めて見ることができます。ただし、作品には作者名もタイトルも添えられないため、ペアの相手がつけてくれたタイトルと、自分の記憶だけが頼りです。

2日目も同様に、説明役と作り役を交代しながら、作品を作りました。斎藤さんは、ワークショップの様子を撮影して作品をつくり、児童たちの粘土の作品と共に木更津会館で展示します。児童たちが体験した不思議なコミュニケーションとその作品を、ぜひ見にいらしてください。